インドネシアの首都移転計画

建 築
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インドネシアの首都移転計画は、数十年にわたる議論の結果、2019年に正式に発表されました。

首都移転計画の概要

  1. ジャカルタの現状:
    • ジャカルタは、過去数十年で急速な人口増加を経験しており、2,000万人以上の人が住んでいます。これにより、都市は重大な交通渋滞、大気汚染、住宅不足、及び基本的な公共サービスの不足に直面しています。
    • さらに、ジャカルタは毎年約10cm沈下していると報告されており、そのため一部はすでに海面下にあると言われています。
  2. 移転先:カリマンタン島:
    • インドネシアの大統領ジョコ・ウィドドは、ボルネオ島のイーストカリマンタン州に新しい首都を建設することを発表しました。
    • この地域は、インドネシアの主要な都市からは離れていますが、地震や火山のリスクが低く、経済的な発展の余地があるとされています。
  3. 移転の利点:
    • 環境的な課題や都市の沈下を回避できる。
    • 新しい地域での経済成長と、インフラや公共サービスの整備の機会。
    • 首都機能の分散による、都市部への人口集中の緩和。
  4. 課題と懸念:
    • このプロジェクトには膨大なコストがかかると予想されており、財政的な負担が懸念されています。
    • ボルネオは熱帯雨林が広がるエリアであり、開発による環境への影響が懸念されています。
    • 地域の先住民や地元のコミュニティの権利や生活への影響が心配されています。
  5. 計画の進捗:
    • 2019年の発表以降、政府は都市設計やインフラ整備に関する計画を進めています。新しい首都の設計には、持続可能性や環境に優しい技術の採用が強調されています。

ジャカルタからの首都移転は、インドネシア政府が21世紀の都市の持続可能な発展を模索する中での野心的なプロジェクトであり、その進行と成果は多くの人々から注目されています。

日本も乗り遅れるな

首都移転】インドネシア大統領、建設費用に日本の投資期待「日本も乗り遅れたくはないはずだ」
Share News Japan 2023年8月19日版より

インドネシア 首都移転開始まで1年 建設費用に日本の投資期待

インドネシアの首都ジャカルタは、人口の過密化で交通渋滞や大気汚染などが深刻な課題となっていて、インドネシア政府は、独立記念日にあたる来年の8月17日から、およそ2000キロ離れたカリマンタン島の東部への首都の移転を順次、始める予定です。

17日はジャカルタで独立記念日の式典が開かれ、およそ8000人の招待客を前に、新首都「ヌサンタラ」の建設現場が動画で公開されました。

ジョコ大統領は報道陣に対し、「来年の式典は新首都で開かれるだろう」と述べ、建設の加速に意欲を見せました。

一方、建設費用は、日本円でおよそ4兆4000億円と見込まれ、このうち8割を投資などで賄う計画です。

これまでに、新首都のインフラ整備などへの投資に関心を示している外国企業は、18か国の合わせて121社にのぼり、このうち日本は27社と最も多くなっています。

新首都を担当するヌサンタラ新首都庁のアグン・ウィチャクソノ次官は、NHKの取材に対し、「各国の投資をめぐる競争のスピードは速く、日本も乗り遅れたくはないはずだ。日本企業の貢献に期待している」と話していました。

ジョコ大統領について

ジョコ・ウィドド(Joko Widodo、通常はジョコウィ(Jokowi)として知られる)はインドネシアの政治家で、2014年と2019年の大統領選挙で勝利し、インドネシア共和国の大統領となりました。以下は、ジョコウィに関する詳細な情報をいくつか挙げています。

  1. 初期の経歴:
    • 1961年6月21日、中部ジャワ州スラカルタ(ソロ)で生まれる。
    • 彼の家庭は裕福ではなく、子供時代を市場の近くの川岸で過ごしました。
    • 工学の学士号を取得した後、彼は木材輸出業の企業を経営しました。
  2. 市長としてのキャリア:
    • 2005年、ジョコウィはソロ市の市長に選ばれました。
    • ジョコウィのリーダーシップの下、ソロは多くの都市再開発プロジェクトを進め、その成功は彼の名声を全国的に高めました。
  3. ジャカルタ知事として:
    • 2012年、ジョコウィはジャカルタの知事に選出されました。
    • 彼は、洪水管理、交通渋滞の緩和、住宅プログラムの改善など、ジャカルタの多くの課題に取り組みました。
  4. 大統領として:
    • 2014年と2019年の選挙で勝利し、インドネシアの大統領に就任。
    • ジョコウィの大統領としての政策には、インフラの大規模な開発、健康保険の普及、教育への投資、そして官僚制の簡素化などが含まれています。
  5. 特筆すべき特性:
    • ジョコウィは「人々の中の一人」としてのイメージを持ち、しばしばシンプルな服装で市民と直接対話する姿が見られました。
    • 彼は伝統的な政治のエリートとは異なる背景を持つため、多くのインドネシア人から新鮮な風として受け入れられました。
  6. 挑戦と批判:
    • 大統領としての彼の治世は、経済の成長、宗教的対立、環境問題など、さまざまな挑戦に直面しています。
    • 特にインドネシアの森林破壊や土地利用の問題に関する彼の対応は、国内外から批判を受けてきました。

彼のリーダーシップは、積極的な経済政策と社会的な改革、そして伝統的な政治エリートとの関係の変化という3つの側面で評価されています。

2023年8月25日 Yhoo newsより転載 (違反であればすぐに削除します)

【インドネシア】【新首都】24年の移転向け建設急ピッチ 年内に宮殿7割完成へ日本も協力

8/10(木) 11:31配信2

中央行政地区(KIPP)の中心的建物となる大統領府の建設現場の様子=7月25日、東カリマンタン州(NNA撮影)

 インドネシア政府が東カリマンタン州に整備する新首都「ヌサンタラ」。2024年8月の独立記念式典をヌサンタラで開催することを目指すジョコ・ウィドド大統領の号令の下、新首都の中央行政地区(KIPP)の建設が急ピッチで進む。大統領宮殿などの建物は年内に進捗(しんちょく)率を70%とする計画だ。遷都という一大国家プロジェクトには日本の知見も生かされており、国際協力機構(JICA)は中央行政地区で海外勢初となる技術協力を行うなどしている。  7月末にJICAインドネシア事務所の企画で訪れたヌサンタラ中心地。巨大なクレーンが建ち並び、複数の重機やトラックが行き来する。一帯には絶えず工事音が鳴り響く中、24年8月の独立記念式典を開催する広場となる建設現場では、掲揚された紅白の国旗がはためいていた。  現在、インフラ整備が集中的に進められているのは、3つのエリアに分かれる中央行政地区(6,671ヘクタール)のうち1Aエリア(2,876ヘクタール)だ。ヌサンタラを案内してくれた公共事業・国民住宅省新首都インフラ開発タスクフォースのダニス氏は、24年8月までに大統領宮殿、大統領府、4つの調整省庁舎、電気・水道などの基礎インフラ、1Aエリアの基幹道路、アクセス高速道路の一部を整備すると説明した。  大統領府とその手前に位置する大統領宮殿の建設進捗率は、7月末時点でそれぞれ21%、23%。年末までに70%へ引き上げ、来年6月には建物の品質検証を開始する。ダニス氏は各建設業者間の連携やJICAによる施工品質の向上支援もあり、「建設は順調に進んでいる」と自信を示した。  中央行政地区の1B、1Cエリアについても整地を進めているという。このほか、首都移転に伴い移住する公務員が生活する高層集合住宅は、計画している47棟のうち12棟を先行して完成させるとした。  内陸にある新首都へのアクセス向上も必須だ。現在、ヌサンタラまでは、東カリマンタン州の州都サマリンダと港湾都市バリクパパンを結ぶ高速道路の最寄り出口を下りた後、約50キロメートルの起伏の激しい一般道を通る必要がある。  ダニス氏は、バリクパパンから新首都まで建設するアクセス高速道について、バラン島を通過する西回りの区間の整備を先に進めると説明した。アクセス高速道は全区間が開通した場合、バリクパパンからの所要時間を現在の約2時間から30分に短縮することができるという。  45年に移転完了を予定しているヌサンタラの長期的な開発計画のうち、22~24年の第1段階では、政府庁舎の整備や都市としてのエコシステムの初期段階を構築する。25~29年にはすべての政府庁舎の移転を終え、公共交通機関の整備などを進める段階に入る。  ダニス氏は、「ヌサンタラの開発は45年までのインドネシアの未来の姿を示したプロジェクトだ」と説明。首都法『22年第3号』として、国会で大多数の賛成をもって成立した法律が根拠となっており、長期プロジェクトとして事業の継続性に問題はないとの考えを述べた。  ■現場に入り施工品質支援  こうした国を挙げた一大プロジェクトをJICAは側面から支えている。JICAの支援は22年6月に、公共事業・国民住宅省が実施する基礎インフラの整備計画・工事内容に関する情報収集や分析などの調査段階から始まった。同年12月以降は、調査員が建設現場に出向き、インフラの施工品質向上を支援している。  具体的には、起伏の激しい丘陵地帯にある新首都開発エリアに適したのり面対策、基礎くい打ち施工時のコンクリート品質を確保するための強度モニタリング策の提案などを行ってきた。JICAの調査員は7月までに計6回現地入りしており、監理コンサルタント、現地建設業者などに対応策の提案などを行っている。  JICA調査団の幹事を務める日本工営ジャカルタ事務所の坂下智慎所長は、「『質の高いインフラを建設する』という現場の意識は非常に高い」と話す。開発はまだ初期段階ではあるものの、中心施設となる大統領宮殿については、「24年8月に何とか形にするだろうという勢いだ」と、集中的に工事が進んでいるとの印象を語った。坂下氏は、首都移転自体は中長期的なプロジェクトにはなるが「必ず実現するだろう」と期待を込めた。  JICAインドネシア事務所によると、日本による施工品質向上支援は、バスキ公共事業・国民住宅相から直接要請を受けて実施。同事務所の安井毅裕所長は、日本とインドネシアは長年にわたり良好な関係を築いてきたとして、「インドネシアが決心した一大プロジェクトをサポートする存在であることが大事だ」と語った。

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